本文へ移動

採用コラム

求人を出しても応募が来ない 建設業・製造業の中小企業が見直したい6つのポイント

執筆:砂川大輔(砂川大輔事務所 代表)

求人を掲載しているのに応募が来ない。広告を追加するべきか、給与を上げるべきか、何から手をつければよいか分からない。採用を担う経営者や総務担当者にとって判断に迷うところです。

まず確かめたいのは、採りたい人に求人が届き、仕事や条件が伝わり、応募できる状態になっているか。そして、他社の求人と比べたときに、自社を選ぶ理由が見えるかです。

この記事では、建設業・製造業の中小企業が見直したいポイントを、次の6つに整理します。

  1. 採りたい人に求人が届いているか
  2. 応募条件と待遇は、採りたい人に合っているか
  3. 他社と比べて「自社を選ぶ理由」が伝わっているか
  4. 入社後の仕事と働き方を想像できるか
  5. 求人票の内容を、ホームページで確かめられるか
  6. 応募方法が分かりやすく、手続きが負担になっていないか

まず、求人の閲覧状況と応募状況を確認する

同じ「応募ゼロ」でも、求人がほとんど見られていない会社と、見られているのに応募されない会社では、調べる箇所が変わります。

掲載中の求人について、募集職種、掲載期間、確認できる表示数・閲覧数、応募件数を並べてみてください。

確認できた状況次に確かめること
求人の表示・閲覧が少ない掲載状態、募集経路、職種名、勤務地の設定
閲覧されているが応募がない募集条件、仕事内容、他社と比べた魅力、応募方法
応募画面まで進んでも完了しない入力項目、添付書類、送信エラー、スマートフォンでの操作
数字が分からない媒体で確認できる数値と、社内で記録できる応募件数

媒体によって、確認できる数字や数え方は異なります。取得できない数値は「未把握」として残しましょう。この表は原因を調べる手がかりです。短期間の数字だけで、施策の良し悪しを決めつける必要はありません。

① 採りたい人に求人が届いているか

求人を掲載したら、求職者の立場で探してみましょう。募集が公開中か、勤務地や職種の分類が適切か、掲載情報が古くなっていないかを確認します。

職種名にも注意が必要です。「技術スタッフ」「現場スタッフ」という名前だけでは、何をする仕事か判断しにくいことがあります。実際の業務に合わせて、電気工事、施工管理、機械加工、設備保全など、仕事内容が分かる名称と説明を付けます。

募集経路は、採りたい人の経験や通勤範囲を踏まえて選びます。求人サイト、ハローワーク、自社ホームページなどについて、どこで仕事を知り、何を読んで応募するのかを確認してください。

掲載先を増やす際も、それぞれの経路からの応募状況を把握できるようにしておきましょう。

② 応募条件と待遇は、採りたい人に合っているか

「経験者がほしい」と考えると、経験年数、資格、対応できる工程など、条件を積み重ねがちです。実際に任せる仕事を起点に、必要な条件を次の3つに分けてみましょう。

  • 入社時点で必須のもの
  • あれば望ましいもの
  • 入社後に身につけられるもの

例えば、製造の全工程を経験した人を求めていても、最初に任せるのは一部の工程かもしれません。必要な資格や安全上の要件を守りながら、育成できる範囲を確認すれば、募集対象を見直せます。

同時に、同じ通勤圏・職種の求人と、給与、勤務時間、休日、勤務形態を比較します。条件が見劣りする場合は、処遇や業務分担、働き方について、実際に変えられる部分を検討することが必要です。

当事務所のこだわり|事業に必要な役割から、採用を考える

当事務所では、今後の事業方針や現場の人員体制を伺い、必要な職種・人数・技能・採用時期を整理します。「どんな人がほしいか」とあわせて、「その人に何を任せたいか」を明確にすることを大切にしています。経営者と現場の認識をそろえます。

③ 他社と比べて「自社を選ぶ理由」が伝わっているか

人材の獲得競争が厳しいなか、求人を見てもらった先には、他社との比較があります。仕事内容や職場の説明がどの会社も似ていれば、給与など、数字で比べやすい条件だけで評価されてしまいます。

中小企業が給与の引き上げだけで競争を続けるには限りがあります。待遇を改善しながら、「この会社で働きたい」と思ってもらえる理由をつくり、伝えることが必要です。

中小企業庁の「2025年版 中小企業白書」でも、賃金に加え、仕事のやりがい、働き方の改善、社内コミュニケーションなどが、人材確保の助けになる可能性を示しています。中小企業庁

差別化を考えるときは、採りたい人が仕事選びで重視することを絞ります。技術を磨きたい人と、地元で生活を続けたい人とでは、選ぶ理由が異なるからです。

求職者が重視すること選ぶ理由になり得る特徴伝えたい具体的な情報
地元で生活を続けたい近隣の現場が中心で、宿泊出張が少ない現場エリア、出張の実績、集合・移動方法
加工技術を磨きたい段取り・加工・検査など、複数工程に携われる使用設備、担当範囲、技能を習得する順序
未経験から学びたい指導役と習得の手順が決まっている教える人、最初に覚える作業、資格取得支援
現場改善に関わりたい社員の提案を試せる機会がある提案から実施までの流れ、実際の改善例

「最新設備がある」なら、そこで何の技術を身につけられるのか。「地域密着」なら、どの範囲の現場で働くのか。会社の特徴を、働く人にとっての価値まで説明しましょう。

「アットホーム」「やりがいがある」といった言葉にも、具体的な裏づけが必要です。社員が入社を決めた理由や、働き続けている理由を聞くと、整理の手がかりになります。

選ばれる理由が見つからない場合は、指導体制や作業環境、業務分担などを改善するところから始めます。給与・待遇と、仕事や職場の魅力をあわせて整えていきましょう。

当事務所のこだわり|会社の強みを、求職者の言葉に置き換える

私は、アマゾンジャパンや富士通でマーケティングに携わってきました。その経験を採用支援にも活かし、経営者や現場へのヒアリングから、誰に何を伝えるかを整理します。優れた製品や技術を持つ会社なら、その仕事に携わることで何を学び、どのような役割を担えるのかまで伝えることを重視しています。

④ 入社後の仕事と働き方を想像できるか

自社を選ぶ理由が整理できたら、日々の仕事の説明に落とし込みます。

建設業なら、住宅・工場など現場の種類、現場エリア、集合・移動方法、チームの人数や役割が判断材料になります。施工管理であれば、担当する工事や業務の範囲も示したいところです。

製造業なら、製品の用途、使用する機械、加工・組立・検査などの担当工程、交替勤務の有無、作業環境を説明します。未経験者には、最初に任せる仕事と教え方も必要です。

例えば、次のように具体化できます。

元の表現
「工場での製造業務。未経験者歓迎」

具体化した表現
「産業機械に使われる金属部品を加工する仕事です。入社後は先輩と一緒に検査作業から始め、測定器の扱い方と図面の読み方を学びます。習熟度を確認しながら、機械の操作へ担当範囲を広げます」

実際に任せる仕事と育成体制を確認して書くことが前提です。暑さや騒音、重量物の扱いなど、応募前に知っておきたい作業上の負担と、その対策も具体的に伝えましょう。

現場責任者に加え、入社して間もない社員へ「入社前に知りたかったこと」を聞くと、説明の抜けを見つけやすくなります。

⑤ 求人票の内容を、ホームページで確かめられるか

求人を見た人が会社名で調べたとき、ホームページで仕事や職場への理解を深められる状態になっているでしょうか。

まず、募集職種と応募先を見つけられるか、求人票と給与・勤務時間・勤務地などの情報がそろっているかを確認します。

そのうえで、求人票に書いた特徴を裏づける情報を加えます。「教育体制がある」なら教える人と内容を、「幅広い技術が身につく」なら担当工程や社員の成長例を示します。現場写真や社員の説明も、仕事を理解する材料になります。

専門用語が多い仕事ほど、写真に短い説明を添える工夫が有効です。何をしている場面か、どのような役割があるかを、業界外の人にも分かる言葉で書いてみてください。

当事務所のこだわり|現状の確認から、制作まで代表が担う

支援した金型製造会社では、生産力を高めるうえで人材確保が課題となっていました。採用対象を明確にし、専用の採用サイトを立ち上げた経験を、公開インタビューで紹介しています。講演依頼・講師派遣、オンライン講演ならシステムブレーンまで 当事務所では、私自身が相談から企画・制作・情報発信まで一貫して対応し、伺った現場の事情や採用方針を制作物へ反映します。

製造業の採用支援についてのインタビューを読む

⑥ 応募方法が分かりやすく、手続きが負担になっていないか

仕事内容に興味を持っても、応募先が分かりにくかったり、フォームが動かなかったりすれば、応募を完了できません。スマートフォンで、募集要項から送信完了まで操作してみましょう。

確認したいのは、応募ボタンの位置、入力項目、書類の添付方法、エラー表示です。入力や提出を求める情報は、その段階で必要かを見直します。

送信後の受信先と、社内で誰が確認するかも決めておきます。応募者には、その後の選考の流れや会社からの連絡方法を案内してください。

職場見学や応募前の質問を受け付けられるなら、その窓口も示せます。社内で対応できる内容と手順を決めてから案内することが大切です。

専任担当者がいない会社は、1職種の点検から始める

採用を兼務していると、すべての求人やホームページを一度に見直す時間は取りにくいものです。まず、優先して採用したい1職種を選んでください。

その職種の求人票、ホームページ、把握できる応募状況を集め、6つの観点で点検します。同じ地域・職種の求人も並べ、自社を選ぶ理由が伝わるかを確かめましょう。

担い手主に整理すること
経営者必要な職種・人数・時期、募集条件、打ち出す特徴、改善の優先順位
現場責任者仕事内容、必要技能、育成体制、働く環境の実態
総務・採用担当者掲載内容、応募状況、情報の取りまとめと更新

小規模な会社では、一人が複数の役割を担っても構いません。確認したうえで、影響と実行のしやすさを考え、最初の改善を一つ決めます。

変更した日、変更内容、掲載条件、応募状況を記録すると、次に見直す際の材料が残ります。取材や制作を進める時間・技能を確保できない場合は、その部分を外部に依頼する方法もあります。

当事務所のこだわり|採用を続ける力を、社内に残す

前述の製造業支援では、採用サイトの管理権限と運営ノウハウを依頼企業へ引き継ぎました。講演依頼・講師派遣、オンライン講演ならシステムブレーンまで 当事務所でも、まず実務を担い、その後は担当者と一緒に制作・更新・振り返りを進めます。「どこを見て、何を変えるか」という判断のしかたまで共有し、次の採用にも活かせる状態を目指します。

よくある質問

求人広告の予算を増やせば、応募は増えますか?

求人が十分に届いていない場合は、予算や掲載先の見直しが選択肢になります。閲覧されている場合は、募集条件や仕事の説明、他社と比べた魅力、応募方法も確認してください。予算を増やしたときの効果は、職種や地域、募集内容によって異なります。

採用専用のホームページを新しく作る必要がありますか?

既存の会社サイトに、必要な募集情報と応募までの導線を整えられるかを確認しましょう。独立した採用サイトを設けるかは、採用対象、伝える情報量、更新を担う体制などを踏まえて判断します。

SNSも始めたほうがよいですか?

採りたい人との接点になるか、継続して発信する体制があるかを考えて決めます。SNSを始める場合も、興味を持った人が募集内容を確認し、応募まで進めるようにしておきましょう。

建設業・製造業の採用を、計画から制作・運用まで支援します

砂川大輔事務所は、建設業・製造業の中小企業を対象に、採用計画、求人票・採用サイトの制作と改善、情報発信、担当者育成を支援しています。既存の求人票やサイトを確認し、貴社に必要な取り組みを整理します。

支援内容を見る / サービス説明資料を見る

現在は満枠のため、支援をご希望の方には受付再開時の通知をご案内しています。

再開したら通知を受け取る


著者:砂川大輔
砂川大輔事務所 代表。内閣府プロフェッショナル人材活用ガイドブック3度掲載。富士通・アマゾンジャパンの正社員として経営戦略やマーケティングに従事。経験を活かし200社超の中小企業の事業に伴走。建設業・製造業の引き合いが多く、採用計画から制作・情報発信・担当者育成まで支援する。1級土木施工管理技士補、甲種危険物取扱者、甲種火薬類取扱保安責任者、第一種衛生管理者、PRプランナー、内部監査士など、建設・製造業の採用に関する資格を保有。

著者の経歴・専門性を見る

採用コラム一覧へ戻る

貴社の採用について、ご相談ください。