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採用コラム

製造業の採用支援はどう選ぶ? 製造スタッフ・技術者の採用で確認したい6つのポイント

製造スタッフや技術者を採用したい。求人を出しても、求める経験を持つ人から応募が来ない。外部の支援を検討しているものの、自社に合う依頼先が分からない。

製造業の中途採用を支援してもらう際は、採りたい人が今の職場で抱えている不満を理解し、自社へ移ることで何が改善するかを説明できる支援先を選びましょう。

担当する仕事が増えても、評価が変わらない。自由な時間を増やしたいが、残業や夜勤の手当が減ると生活が苦しい。新しい技能を覚えたいのに、同じ作業を任され続けている。こうした悩みを抱える人に、設備や技術の紹介だけでは、転職する理由が十分に伝わりません。

必要なのは、自社の仕事と、求職者の現在の職場の両方への理解です。この記事では、製造スタッフ・加工技能者・技術者の中途採用を考える中小企業に向けて、支援先を見極める6つのポイントを紹介します。

1.採用ターゲットと、現職で蓄積した不満を明文化できるか

「製造業の経験者を採りたい」という条件だけでは、求人で何を伝えるべきかが決まりません。同じ業界で働いていても、担当する工程、身につけた技能、勤務形態、転職で実現したいことは異なります。

支援先には、自社で必要な役割を整理したうえで、採用ターゲットを文章にしてもらいましょう。

例えば、「機械の操作経験があり、今の職場では材料の着脱を主に担当している人。段取りまで覚えたいが、教わる機会がなく、仕事の幅を広げられる会社を探している」と具体化します。これは説明用の例ですが、ここまで整理すると、仕事内容や教育について伝えるべき情報が見えてきます。

現職の不満を考える際は、次の3つを手がかりにできます。

  • 負担と報酬・評価の関係。 担当台数や後輩指導が増えても、給与や評価への反映が見えない。
  • 収入と私生活の時間の両立。 残業や夜勤を減らしたいが、手当が減ると収入が足りない。
  • 技能や役割を広げる機会。 限られた作業が続き、段取りや工程改善などに関わる機会がない。

もちろん、すべての求職者が同じ不満を持っているわけではありません。技能を高めたい人もいれば、習熟した仕事を無理なく続けたい人もいます。「変えたいこと」と「維持したいこと」を分けて考えることが大切です。

支援先に聞きたいこと

今回採りたい人は、今どんな仕事をしていて、どの場面に不満を感じていますか。転職で変えたいことと、維持したい条件を文章にできますか。

2.その不満が、現在の会社で解消されにくい理由を理解できるか

求職者の不満には、仕事の仕組みが関係している場合があります。支援先には、その背景まで掘り下げてもらいましょう。

例えば、部品製造の現場で原価低減を求められ、限られた人数で生産を維持している場合、担当する仕事が増えても、本人が納得する評価や賃金に結びついているとは限りません。教育に時間を割けず、教えられる人がいても、別の工程を学ぶ機会をつくれないことも考えられます。

量産による原価低減が重視される工程なのか、多品種少量の加工なのか。取引先との関係や受注の変動が、人員配置にどう影響しているのか。生産の集約や工場再編があるなら、勤務地や担当がどう変わるのか。こうした事情は、求職者の転職理由を理解する手がかりになります。

ただし、製造業の育成環境は企業によって異なります。厚生労働省の「2025年版ものづくり白書」でも、通常の仕事を離れて行う教育訓練の実施状況には、事業所規模による違いが示されています。採りたい人の職場では何が起きているかを、個別に確認する必要があります。[出典:厚生労働省「2025年版ものづくり白書」概要、PDF3ページ]

仕事内容も、職種に応じて理解する必要があります。

仕事の例現職について確認すること自社との適合を判断する材料
製造スタッフ:組立・検査・梱包など担当作業、作業量、勤務形態、身体的な負担任せる作業、勤務・休憩、安全対策、教育体制
加工技能者:機械加工など操作、段取り、プログラム、測定などの経験範囲必要な技能、使用設備、入社後に学べる工程
技術者:生産技術・設計・品質など専門分野、通常業務と改善業務の配分、裁量任せる課題、他部門との分担、協力者、設備・予算

経験年数だけでは、任せられる仕事は分かりません。必要な技能を「入社時に必要なもの」「入社後に教えられるもの」に分け、教える人と時間も確認します。

また、求職者が現職で担当変更を希望したことがあるのか、なぜ実現しなかったのかまで聞くと、社外へ移ろうとする理由を理解しやすくなります。

支援先に聞きたいこと

その不満が続く背景として、仕事の分担、評価、教育体制のどこを調べますか。当社と候補者の現職の違いを、どう確かめますか。

当事務所のこだわり|担当する仕事と、次へ進む条件を確認する

私は、金属部品製造会社などで、人材採用・育成に関する支援を経験してきました。採用では、今できる仕事に加え、入社後にどこまで担当を広げられるかも確認したいところです。現場責任者と、最初に任せる作業、次に覚える技能、教える人と時間を整理すると、求職者へ伝える内容が具体的になります。

3.不満を、求職者が「自分のことだ」と感じる言葉にできるか

「給与に不満がある」「キャリアアップしたい」という整理から、もう一歩踏み込みます。本人がどのような場面でそう感じているのかを、言葉にするのです。

例えば、次のように具体化できます。いずれも説明用の例です。

抽象的な悩み求職者の立場で具体化した言葉
給与・評価への不満担当する機械が増え、後輩も教えている。それでも、何をすれば評価が上がるのか分からない
残業・夜勤を減らしたい家族と過ごす時間を増やしたい。でも、残業と夜勤を減らすと収入が足りなくなる
技能を伸ばしたい材料の着脱を何年も担当している。段取りを覚えたいと伝えても、教わる時間が取れない
専門性を活かしたい設備の復旧対応で一日が終わり、取り組みたい工程改善に時間を使えない

こうした言葉が自分の状況と重なると、「この会社なら、今の悩みを理解してくれそうだ」と感じるきっかけになります。

求人の冒頭も、例えば「担当する仕事が増えても、評価が変わらないと感じていませんか」と問いかけ、その後に自社の評価の仕組みや実際の役割を説明できます。不満への共感と、応募先として選ぶ理由をつなぐ構成です。

言葉の材料は、中途入社した社員への取材から集められます。「前の職場で何を変えたかったか」「どんな場面で転職を考えたか」「入社後に何が変わったか」「期待と違ったことは何か」を聞いてみてください。

支援先が立てた仮説を、社員の経験や応募者の質問と照らし合わせることで、実態に合う表現へ近づけられます。

支援先に聞きたいこと

「給与に不満」「成長したい」を、本人が経験している場面に置き換えると、どんな言葉になりますか。その仮説を誰への取材で確かめますか。

当事務所のこだわり|前の職場で変えたかったことを聞く

IT企業に所属していた頃、私はマーケティング業務で、企業への聞き取りとデータ分析を通じて課題を探ってきました。採用でも、中途入社した社員に、前の職場で何を変えたかったか、入社後に何が変わったかを聞くことが大切です。その具体的な違いを確かめると、同じ悩みを持つ人へ伝える材料が見えてきます。

4.自社へ移ると何が改善するかを、根拠とともに示せるか

求職者の不満を言語化したら、自社で改善できることを確かめます。ここが、採用で選ばれる理由をつくるうえで重要な部分です。

「高い技術力」「最新設備」「少人数で裁量がある」といった特徴も、その人の仕事や生活にどう関わるかまで説明しましょう。

求職者が変えたいこと自社で確認すること求人に示す根拠の例
担当や責任に見合う評価を得たい技能・役割が評価や給与へどう反映されるか評価項目、役割ごとの条件、実際の運用例
収入を維持し、私生活の時間を増やしたい給与の内訳と、勤務・通勤時間が希望に合うか基本給・手当、残業が少ない場合の収入条件、勤務実態
段取りなどへ担当を広げたい任せる工程、指導者、教育時間があるか最初の作業、習得の順序、担当変更・評価の条件
工程改善に専門性を活かしたい改善に使える時間や協力体制があるか業務配分、任せる課題、提案から実行までの流れ

特に、給与と時間は一緒に確認する必要があります。残業や夜勤が減っても、手当がなくなり、生活に必要な収入を確保できなければ、その人の希望は満たせません。

月給の表示額だけを比べず、基本給、各種手当、想定する残業時間、賞与の前提をそろえて説明します。「収入を維持して自由時間を増やせる」と言えるかは、募集条件と候補者の現状によって変わります。

設備や教育も同様です。新しい設備があっても、採用した人が担当できるとは限りません。研修制度があっても、実際に教わる時間が取れなければ、求職者が期待する技能習得につながりません。

自社で変えられることを、働く人の立場で具体化することが差別化につながります。 自社でも同じ不満が起きるのであれば、業務分担や教育体制を改善する必要があるか、現在の環境が別の候補層に合うかを検討しましょう。

求人全体の見直し方は、「求人を出しても応募が来ない|建設業・製造業の中小企業が見直したい6つのポイント」でも解説しています。

支援先に聞きたいこと

この人の不満を、当社の何が解決できますか。給与、時間、担当業務、教育について、何を確認すれば裏づけられますか。

5.転職理由と職種に合わせ、求人・採用ページ・募集経路を設計できるか

ここまで整理した内容を、求人票や採用ページへ反映します。

基本となるのは、「採りたい人の悩み」「自社で実現できる変化」「その根拠」「任せる仕事と必要技能」「給与・勤務等の条件」「応募方法」という流れです。掲載する媒体の形式に合わせながら、求職者が自分に合う仕事かを判断できるようにします。

製造スタッフ向けには、担当作業、一日の流れ、勤務・休憩、身体的な負担と対策を説明します。製造業が未経験の人には、最初に教わることや、独り立ちまでの確認方法も必要です。

加工技能者向けには、設備や材料、担当工程に加え、入社時に必要な技能と、入社後に教えられる技能を示します。生産技術・設計・品質などの技術者向けには、専門分野、任せる課題、日常業務との配分、他部門との関係を具体化します。

顧客名や製品図面を公開できない場合でも、公開可能な工程、使用設備、仕事の流れ、社員の説明から伝えられることを探せます。

募集経路も、採用ターゲットに合わせて選びます。通勤できる範囲で探す人なのか、専門性を活かせる職場を広く探す人なのか。どこで求人を見つけ、応募前に何を確認するのか。その理由を支援先へ聞きましょう。

求人から職種別の詳細ページへ進み、応募できるかも確認します。公開後は応募数に加え、想定した経験や希望を持つ人から応募があるかを振り返ります。

支援先に聞きたいこと

この候補者の転職理由を踏まえ、求人の冒頭と詳細ページには何を載せますか。その人へ届く募集経路を選ぶ理由は何ですか。

6.理解した内容を、成果物と運用手順にできるか

支援先との打ち合わせでは、調べた内容が何に反映されるかまで確認しましょう。

依頼内容に応じて、次のような成果物を具体化します。

  • 任せる工程と必要技能を整理した採用要件。
  • 現職、不満、転職で実現したいことをまとめたターゲット像。
  • 不満と、自社で改善できること・その根拠を対応させた訴求方針。
  • 職種別の求人原稿、採用ページ、募集経路の提案。
  • 公開後に確認する項目、更新手順、担当者へ引き継ぐ資料。

提案の段階ですべての情報がそろう必要はありません。確認できていること、仮説、これから誰に何を聞くかが整理されているかを見ます。

見積もりは、取材対象、制作点数、修正、公開後の作業、別途費用をそろえて比べます。経営者や現場が、取材・資料提供・内容確認にどの程度協力する必要があるかも聞いてください。

支援実績については、業種名に加え、職種や担当した範囲、作成したもの、確認できる結果を見ます。自社とは異なる工程や仕事について、追加でどう調べるかも判断材料です。

社内と外部の分担は、「採用担当者がいない中小企業へ|建設業・製造業の採用の進め方と外注できること」で詳しく紹介しています。

当事務所のこだわり|次の募集に使える判断基準を残す

アマゾンジャパンでは、マーケティング手法のマニュアル化や新人への指導を経験しました。採用でも、ターゲットの悩みをどう確かめ、勤務や担当工程が変わったら何を直すかを共有しておくと、次の募集へ活かせます。当事務所では、制作・発信の実務を一緒に進めながら、判断基準と手順を担当者へ伝えます。

よくある質問

製造スタッフと技術者を同時に採用したい場合、どう進めますか?

必要な役割と採用時期を整理し、社内で取材や受け入れに使える時間も確認します。求人原稿や伝える情報は職種ごとに分け、優先する募集から進めましょう。

異業種の経験者も採用ターゲットにできますか?

任せる仕事に活かせる経験と、入社後に必要な教育を確認したうえで検討できます。その人が現在の仕事で何に悩み、どんな変化を求めているかも聞きます。製造業経験者の転職理由を、そのまま当てはめないことが大切です。

大幅な賃上げが難しくても、経験者採用に取り組めますか?

候補者が維持したい収入と、変えたい働き方・役割を確認し、自社と合う対象を具体化しましょう。残業を減らすことで手当が減る場合も含め、条件全体を示します。勤務や成長機会に魅力があっても、必要な収入を満たせるかは別途確認が必要です。

製造業の採用計画から、求人・サイト・情報発信まで

砂川大輔事務所は、建設業・製造業の中小企業に向けて、採用計画、求人票やサイトの制作・改善、情報発信、担当者育成を支援しています。

「採りたい人の転職理由を整理できていない」「設備や技術の特徴を、働く魅力として説明できない」「原稿や情報発信を進める人手が足りない」。こうした課題に対し、事業と現場の情報を伺い、採用要件とターゲットを整理するところから、必要な制作・運用へつなげます。

依頼を検討する際は、現在の求人票、任せたい工程、必要な技能、勤務・給与条件を手元に集めておくと、課題を話し合いやすくなります。中途入社した社員の入社理由も、分かる範囲で整理してみてください。

支援内容と料金プランをご確認いただけます。サービス説明資料もご用意しています。受付再開のお知らせをご希望の方は、再開通知フォームをご利用ください。


著者:砂川大輔
砂川大輔事務所 代表。内閣府プロフェッショナル人材活用ガイドブック3度掲載。富士通・アマゾンジャパンの正社員として経営戦略やマーケティングに従事。経験を活かし200社超の中小企業の事業に伴走。建設業・製造業の引き合いが多く、採用計画から制作・情報発信・担当者育成まで支援する。1級土木施工管理技士補、甲種危険物取扱者、甲種火薬類取扱保安責任者、第一種衛生管理者、PRプランナー、内部監査士など、建設・製造業の採用に関する資格を保有。

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